ニューヨークタイムズ、InVisionなど、ニューヨーク12社のリードデザイナーの実践ノウハウ

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こんにちは! NewsPicksのデザイナーの吉川です。

9/26・27の2日間、ニューヨークで行われたAWWWARDSカンファレンスに参加しました。 前回は1日目の内容をご紹介しました。今回は2日目、特にメッセージが強く面白いと感じた「The NewYork Times」「InVision App」「Anton&Irena」「Mediamonks」「AREA17」、この5つのトークについてまとめました。


  1. Scholastic(デジタルアクセシビリティ)
  2. Anton&Irena(小さなスタジオをサクセスストーリーに変える重要なステップ)
  3. Fantasy(自分が設計の専門家だと考えているなら、考え方を再考しよう)
  4. Smashing Magazine(インターフェースデザイン)
  5. R/GA(言語デザイン)
  6. Stick Studios(広告に再びアクセスできるようにする)
  7. Mediamonks(UXを介したロイヤリティループの強化)
  8. The NewYork Times(効果的なストーリーテリングの設計)
  9. Jam3(ブランディング)
  10. InVision App(デザインインパクトを高める方法)
  11. AREA17(産業を再設計するには)
  12. The Futur(あなたの価値が認知される方法)

The NewYork Times - Graham McDonnell「効果的なストーリーテリングの設計」

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Graham McDonnell - クリエイティブディレクター

ニューヨークタイムズといえばNewsPicksでもおなじみですが、世界的に権威のあるアメリカの代表的日刊紙です。

登壇したGraham McDonnellは、代理店で10年以上クリエイティブチームをリードした後、私はロンドンのニューヨークタイムズに入社し、ブランドコンテンツスタジオをつくり国際的にブランドの価値を高めました。彼のポートフォリオサイトには彼のストーリーテリングへのこだわりと世界観が詰まっているので、もしよければのぞいてみてください。

www.grahammcdonnell.co.uk

彼が話してくれたのはThe New York Timesで実際に行なっているストーリーテリングの設計プロセスです。

・Introduce an Element(要素を導入する)
・Present a Problem (問題を提示する)
・Reveal the Outcome(結果を明らかにする)

この3つを組み合わせ、組み替えて設計をします。
ストーリーの流れを組み変えた2パターンの動画を紹介してくれました。

そして、ストーリーテリングにおいて重要なポイントは次の4つ。

・Make it Visual(ビジュアル化し)
・Make it Move(動かし)
・Make it Interactive(インタラクティブにし)
・Make it Obvious(明らかにする)

ビジュアルは言葉よりも60,000倍速く処理され、ビジュアルを含むページは平均で94%多くのビューを表示します、ビジュアルを消化するのに1/10秒かかりますが200ワードを読むのに60秒かかります。そして、3日後に保持できる情報量は、文字情報が10~20%に対して視覚情報は65%は保持されます。文字情報よりも視覚情報がどれだけ効果的に伝達されるかについて話します。

Content is King. Execution is Castle.
コンテンツは王様である。デザインはそれを支える城なのです。

ビルゲイツの言葉を用いて、どうコンテンツとデザインとが関係しあっているかをわかりやすく表現してくれました。NewsPicksも同じように、コンテンツとデザインの健全な関係性を築き互いのプロフェッショナルを掛け合わせて成り立っています。このバランス感覚が絶妙であり、少し複雑です。「王」と「城」という言葉選び、腹にすっと落ちました。

InVision App - Stephen Gates「デザインインパクトを高める方法」

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Stephan Gates - ヘッドデザインエバンジェリスト

1日目にも登場したInVisionですが、Stephan Gatesはヘッドデザインエバンジェリスト、デザインの重要性とその価値を高める方法について話しました。

2,200社、23業界、77カ国への調査を行なった。デザイン成熟度の高い会社は低い会社に比べて、4倍もの収益を上げ、コスト削減は5倍、市場投入までの時間は6倍早くなり、26倍の評価になっています。

www.invisionapp.com

InVisionが調査したデータがビジュアル化されています。
「これを見れば、デザインがどれだけインパクトがあるかわかるはず。ぜひダウンロードして活用してほしい!」とのこと。これだけ多くの情報量が綺麗にまとまっていれば、デザインの可能性を重要なメンバーに伝えることができます。彼らが行なっているのが、世界のプロダクト開発の最大限の可能性に挑戦していることがよくわかります。

You are NOT where you've worked or went to school.
You are NOT apps, technologies or skills you know.
自分を紹介するのに会社や肩書き、実績で話すがそれはあなた自身を表すものではない。

「違いはあなたの強みです。あなたがチームにもたらす違いはそれをより強くし、チームが物事に疑問を持ち、異なった考え方をし、最終的に良くなることを助けます。違いに自信を持ち、受け入れましょう。 」

彼のプレゼンテーションは圧巻でした。
力強い声で、ドラマチックに話し、どんどん引き込まれていきました。

いち早くYouTubeに動画がアップされているのでぜひチェックしてみてください。

YouTube

Anton&Irena - Anton & Irene「小さなスタジオをサクセスストーリーに変える重要なステップ」

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Anton & Irene - デザイナー

AntonとIreneは、ジュニアデザイナーから、自分のスタジオの創設者へと道を登りました。 彼らのスタジオであるAnton&IreneはBlooklinをはるかに超えて知られており、彼らのプロジェクトはwebデザインに限定されません。

彼らのポートフォリオには、Spotify、SPACE10 / IKEA、Karim Rashid、Zumtobel、The Met、Nickelodeon、BBC...のプロジェクトと、インタラクティブなドキュメンタリーのような自発的なプロジェクトがあります。そして、ほぼ毎月、世界のさまざまな場所でワークショップと講義を行っています。

antonandirene.com

Don't put crap in your portfolio, otherwise you will get clients who will ask for crap.
ポートフォリオにガラクタ(のようなデザイン)をいれないでください。
さもなければ、ガラクタを要求してくるようなクライアントの依頼がくることでしょう。

「何年間もクリエイティブディレクションでやってきたが、多くのマネジメント会議に疲れ、デザインワークをやれる時間がほとんどなくなってしまった。私たちはデザイナーだ。どうしてディレクターと一緒に常に、レビューやデザイナーのマネジメントをしているんだ。これは私たちにとって情熱的なものではない。そこで自分たちが最も愛しているものに立ち戻ることにしました。それがデザインです。

大好きなデザインをやり続けるためにクライアントワークだけに時間を割くわけにはいかない。どちらも機能させるための方法は、時間の60%を個人のプロジェクトに費やし、40%を特別なクライアントに費やすことだといいます。最高のアウトプットしきちんと信頼を積み重ね、自主制作の時間と予算をつくっていったのです。

「3Dプリンタも持っていないし、わからないけどとりあえずやってみる。」とIKEAで買った木材を組み立てて手作りし、Photoshopで加工してポートフォリオにしてしまう。そんな愛とユーモアの溢れる、彼らの人となりに魅了され、あっという間にファンになってしまいました。

Mediamonks - Maggie Brennan「UXを介したロイヤリティループの強化」

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Maggie Brennan - ストラテジーディレクター

Mediamonksは、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、シンガポールなど世界の主要都市にスタジオを構えるデジタル制作会社です。領域はWebサイトに限らず、ゲーム、または映画にもおよび、それらのクリエイティブで数々の賞を受賞しています。

壇上に上がったのはストラテジーディレクターのMaggie Brennan。UXについて話をしてくれました。

「人が車を買うには、検索から購入までに平均3か月かかります。
意思決定の背後にある無数の要因が存在していることを想像していますか?」

しばしばデザイナーは、それらの典型的なブランドイメージとのギャップで苦しみます。

例えば、典型的なブランドの考え方はこんなようです。

典型的なブランドの考え方
・ブランドXと直接関わりたい
・パーソナライズされた体験をしたい
・ブランドXとの有意義な会話が欲しい
・ブランドXは私にとって本当に重要

本当のユーザーはブランドXのことをそんなに考えていない。なぜなら複数のチャンネルに所属して、いろんなものを見て、使い生活をしている。

消費者が通常必要とするもの
・コミュニティで注目されたい
・仲間との有意義なつながりが欲しい
・気軽に力を与えたい
・本当に重要なのは自分自身の人生の質

私たちはイノベーターであるために、エコーチェンバーのようなデータを使わないよう注意しよう。ユーザーのその背景を理解するために、ユーザーリサーチは私たちのアンカーになってくれるといいます。

NewsPicksで、まさにユーザーリサーチを進めているタイミングだったこともあり、うなづくような話ばかりでした。開発の意思決定プロセスで、チーム内で賛成多数で強まった意見は正しそうに見えてしまいます。それが正しく見えるだけで本当にあるべきなのかどうか、ユーザーからの視点をブラさずに客観的に問い続けるのが私たちの役目なのだと思います。

AREA17 - Hannah Kreiswirth「産業を再設計するには」

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Hannah Kreiswirth - COO/クリエイティブディレクター

AREA 17は、パリとニューヨークにスタジオを持つデジタル製品代理店です。

そして、HannahはAREA 17のCOOでありクリエイティブディレクターです。メディア、出版、クリエイティブディレクター、ビジネスストラテジスト、起業家として幅広いコンテクストで働いた経験のある彼女は、デザインのインパクトとその再設計を語りました。

  1. あなたの人々を知ってください。
  2. あなたの目的を信頼してください。
  3. あなたの利益を尊重してください。
  4. 環境を考慮してください。
  5. これは過程でありゴールではありません。

デザインはビジネスの成功に直接影響するが、ビジネスとしての「サービスの設計」はいまだに崩壊している。AREA17はエージェンシーとして、この業界での働き方や人々との関係性について改善すべきと語っています。

代理店の利益モデルは、人々の時間がある最も貴重なリソースに直接結びついています。私たちは、仕事、文化、ブランドを通じて生活を豊かにする組織を目指している。より良い代理店を設計するということは、仕事を人生に価値あるものにすることです。

まとめ

とても充実した2日間でした。
デザインしたものは我が子のようと言いますが、プロダクトに対する愛とデザインがもたらす可能性を、最高の表現者からの応援メッセージとして受け取らせていただきました。

そして、日本に帰ってからもAWWWARDS熱が冷め止まず、2020年1月の東京開催に申し込みました!
ぜひ会場でお会いしましょう!!!

conference.awwwards.com

AWWWARDSの概要、1日目のトークについてはこちらをご覧ください。 tech.newspicks.com

tech.newspicks.com